こんにちは、賃貸営業マン&不動産投資家のしんし(@shinshi_fudosan)です!
築古戸建て投資は初期費用を抑えやすいことから、興味のある人もいるのではないでしょうか?
築年数の古い戸建ては比較的安く購入しやすいとはいえ、築年数が古い物件ならではのリスクがあることも事実です。
築古戸建て投資の魅力やリスクって具体的に何?
そこで今回は、築年数50年超えの戸建てを複数運用している私が、築古戸建て投資について解説します。
築古戸建て投資のメリット・デメリットだけでなく、築古戸建て投資で失敗しないためのポイントについても解説しますので、築古戸建て投資に興味のある人はぜひ参考にしてみてください。
賃貸営業マン歴10年。2019年から不動産投資をスタートし、賃貸併用住宅・貸家・アパートなど合計42戸を所有。2022年に資産管理法人設立。賃貸業界の中から見る不動産投資について発信しています!
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築古戸建て投資とは?
築古戸建て投資とは、築年数の古い戸建てを取得して賃貸物件として運用する不動産投資の一種です。
新築や築浅の物件と比べると安い価格で購入しやすいため、融資を受けずに現金のみでも始めやすい特徴があります。
私も、初めての不動産投資物件は現金で購入した築古戸建てでした!
築古戸建て投資の築年数について明確な定義はありませんが、一般的には築30年を超える物件を指すことが多いでしょう。
築30年を超えてくると、給湯器や水回りの設備、外壁といった大きな修繕が必要になる可能性が高くなります。建物の状況によっては、建て替えを検討することも。
築古戸建てはこのような修繕などのリスクがあるからこそ、購入時の価格を抑えやすいのです。
安さには理由がある。リスクも考慮して物件を選ばないといけないのですね!
築古戸建て投資の魅力・メリット
ここでは、築古戸建て投資の魅力やメリットについて解説します。
比較的安い価格で購入できる
築古戸建て投資の魅力は、新築・築浅と比較すると少額から始めやすいことにあるでしょう。
地域などの条件にもよりますが、数十万円~数百万円程度で物件を購入することも可能です。
ちなみに、私が最初に購入した築年数50年超えの戸建ては180万円でした。
不動産投資の中でも少ない予算から始めやすいことは、特に初心者にとってメリットだといえるでしょう。
融資が難しくても現金で購入しやすい
築古戸建ては新築や築浅物件に比べて価格が大幅に安いため、融資が難しい場合でも現金で購入しやすい点が魅力です。
築年数が古い物件は金融機関からの評価が低く、融資を受けるハードルが高いケースもあります。
価格が安い築古戸建てであれば自己資金のみで購入を検討することができるため、不動産投資初心者でも少ない初期費用で投資をスタートできる可能性があるのです。
私も融資を断られてしまい、最初は現金で購入しました。
また、現金で購入する場合は、金融機関からローンを借り入れて購入するよりも購入までの手続きがスムーズに進むメリットもあります。
利回りが高め
新築・築浅と比較すると、築古戸建ての方が安く仕入れやすい。したがって、利回りが高くなりやすいこともメリットの一つ。
築古戸建てを低価格で購入し、リフォームやリノベーションを行うことで価値を高めて入居付けできれば、コストを抑えつつ賃料収入を増やすことが可能です。
ただし、利回りが高い物件は、賃貸需要が見込めない地域にあったり、多額の修繕費用がかかったりするケースもあるため、物件選びの際には注意しましょう。
出口戦略が立てやすい
築古戸建ての場合、購入価格に占める土地の価値の割合が高いことが多いため、購入時の価格と売却時の価格との差が小さい特徴があります。
したがって、将来的に売却する際には、大幅な値下がりリスクを抑えやすいメリットもあるのです。
私は築50年超えの戸建てを180万円で購入し、260万円で売却しました。
戸建て投資の出口戦略については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
築古戸建て投資のリスク・デメリット
ここでは、築古戸建て投資のリスク・デメリットについて解説します。
修繕費がかかる
築年数が古くて価格が著しく安い物件はそのままの状態で貸し出すことが難しい場合が多く、物件によってはリフォーム費用が高額になってしまうケースがあります。
せっかく物件を安く購入できても、リフォーム費用が高額になってしまうとトータルでかかる金額が大きくなってしまうため、収益性が下がってしまいます。
さらに、入居者が住み始めてからも修繕が必要になる可能性があります。築年数の古い物件を購入する場合は見えない部分の修繕が必要になることもあるため、修繕が必要な箇所や費用を事前に把握することが大切です。
築50年超の貸家では、入居者から設備クレームを受けて修繕したり、売却直前でエコキュートが壊れたり、色々ありました…。
融資を受けにくい
築古戸建て投資のデメリットとして、金融機関からの融資が受けにくいことが挙げられます。
そもそも戸建て投資は、アパート投資と比べると収益性や安定性で劣ると見なされる可能性が高い傾向にあります。
戸建て住宅は一戸のみで空室になると家賃収入が途絶えてしまうことから、投資リスクが高いと評価される場合もあるのです。
新築の戸建てでも、一戸しかないことによる空室リスクを理由に融資を断られたことがありました(泣)
特に築古戸建ての場合は担保評価が低くなりやすいため、融資を断られるケースもあることに注意が必要でしょう。
入居者が決まりにくい
一般的に、入居者は新しくてキレイな物件を好みます。そのため、外観や設備が古い築古戸建ては入居者が決まりにくい場合があります。
特に、設備が現代の生活スタイルに合っていなかったり、利便性の良くない立地であったりする場合は、空室リスクが高まるでしょう。
ちなみに、私は賃貸営業マンなので、「自力で入居付けできる!」と思える物件だけ購入しています。あまりにも立地などの条件が悪い場合は、どんなに安く買えそうでもやめておきます。
戸建て投資の空室対策については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
売却に時間がかかるケースも
築古戸建ての場合、物件の状態や築年数によっては売却に時間がかかるケースがあります。
特に築年数の古い物件は買い手が限られることが多いため、需要が低いエリアである場合や、売却時の不動産市場の状況によっては、希望価格での売却が難しいかもしれません。
物件の状態が悪い場合は、買い手側が修繕やリフォームの費用を懸念して購入をためらうことがあります。売却をスムーズに進めるためには、購入後も適切なメンテナンスが必要だといえるでしょう。
私は、将来的に購入時と同じ価格以上で売却できそうな物件以外買わないことにしています。
戸建て投資の出口戦略については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
築古戸建て投資で失敗しないためのポイント
ここでは、築古戸建て投資で失敗しないためのポイントについて解説します。
築古戸建て投資に挑戦したいと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
賃貸需要のある物件を選ぶ
不動産投資で失敗しないためには、物件選びが非常に重要なポイントとなります。物件選びから空室対策が始まっているといっても過言ではありません。
- 定期的に現地確認できる距離の物件にする
- エリア内の賃料相場などを確認する
- 購入前に必ず現地を確認する
- 大規模な修繕が必要な物件は避ける
- 築年数と表面利回りを確認する
- 敷地内・近隣に駐車場があるか確認する など
安い戸建てには安い値付けになる理由があります。入居希望者に選ばれる物件にできるか、そして購入金額やリフォーム代、家賃などとの兼ね合いも踏まえて購入を検討しましょう。
購入時と同じ価格以上で売却できる物件を選ぶ
築古戸建て投資で失敗しないためのポイントの一つとして、購入時と同じ価格以上で売却できる物件を選ぶことが挙げられます。
最低でも購入時と同じ価格で売却できれば、家賃収入がある分トータルでみればプラスになりやすいからです。
購入価格が市場価格に近いもしくはそれより安い物件であれば、将来的に売却する際にも出口戦略を立てやすいでしょう。
私は、購入時点から売却を視野に入れて物件を選んでいます。
戸建て投資の出口戦略については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
リフォーム費用を抑える工夫をする
築古戸建て投資では、リフォームや設備の追加などにお金をかけすぎないことも重要です。
魅力的な物件に仕上げようと多額の費用を投じても、その分を家賃で回収できなければ投資効率が低下してしまいます。
無計画にリフォームを進めるのではなく、ターゲットとする入居者層や周辺相場を考慮し、費用対効果の高い改善を目指すとよいでしょう。
たとえば、キッチンやお風呂といった設備を新しくするには多額の費用がかかります。その費用をかけて、家賃は上がりますか?本当に必要ですか?
キッチンはそのままで表面にダイノックシートを貼る、浴室はそのままで壁一面にシートを貼る、水栓をサーモスタットに変える、鏡を横長に変えるなど、少額で見栄えを良くする方法はあります。
費用対効果を考えて、ターゲットとする入居者層に合った適切なリフォームを行うことが大切でしょう。
私は、費用対効果の目安としてリフォーム利回り(リフォームによって上がった家賃から元の家賃を差し引いた金額÷リフォーム費用)12%としています。
早めに入居者を決めるための空室対策
空室になった際に早めに入居者を決めるための空室対策も重要なポイントとなります。
- 入居付けが強い不動産会社にお願いする
- キレイな状態を保って内見時の印象を良くする
- 入居条件を見直す(ペット可・外国人の受け入れOK等)
- 家賃などの募集条件を見直す
- 入居者に選ばれる魅力(設備等)を作る
- 内見までに手間がかからない工夫をする
- 賃貸営業に紹介してもらえる関係性を築く
- リフォームをする など
戸建て投資の空室対策については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
築古戸建て投資に関するよくある質問
ここでは、築古戸建て投資に関するよくある質問と回答をご紹介します。
築古戸建て投資で失敗を防ぐためのポイントは何ですか?
築古戸建て投資で失敗しないためのポイントとして、次のようなものが挙げられます。
築古戸建てをDIYで改装する際に注意すべきことは何ですか?
築古戸建てをDIYで改装する際に注意すべき点として、次のようなものが挙げられます。
- 建物の状態をしっかりと把握する
- 法律や規制を確認する
- 費用と時間の計画を立てる
- DIYで対応可能な範囲を見極める
- ターゲット層のニーズに合うデザインや機能にする
築古戸建て投資ではどのくらいの利回りが期待できますか?
都市部よりも地方の方が利回りが高くなりやすい傾向にあります。地方で不動産投資をする私は、築古戸建てであれば利回り(※リフォーム費用含む)20%を基準としています。
築古戸建てのリフォームで費用対効果を高める方法は何ですか?
築古戸建て投資で空室対策としてリフォームを行う際には、費用対効果を意識した計画が大切です。
たとえば、キッチンやお風呂といった設備を新しくするには多額の費用がかかります。その費用をかけて、家賃は上がるのでしょうか?本当に必要ですか?
キッチンはそのままで表面にダイノックシートを貼る、浴室はそのままで壁一面にシートを貼る、水栓をサーモスタットに変える、鏡を横長に変えるなど、少額で見栄えを良くする方法はあります。
投資コストが回収できる範囲でできるように、入居者のニーズを考慮しながら、必要な箇所に的を絞ったリフォームを行うことをおすすめします。
私は、費用対効果の目安としてリフォーム利回り(リフォームによって上がった家賃から元の家賃を差し引いた金額÷リフォーム費用)12%としています。
築古戸建てを購入する際、初心者が注意すべきチェックポイントは?
築古戸建てを購入する際にチェックすべきポイントとして、次のようなものが挙げられます。
- 定期的に現地確認できる距離の物件にする
- エリア内の賃料相場などを確認する
- 購入前に必ず現地を確認する
- 大規模なリフォームが必要な物件は避ける
- 築年数と表面利回りを確認する
- 敷地内・近隣に駐車場があるか確認する
築古戸建て投資をするならリスクも理解しておこう!
今回紹介したように、築古戸建て投資には比較的安い価格で購入できる、利回りが高め、現金で購入しやすいなどの魅力がありますが、一方でリスクやデメリットも存在します。
築年数が古いために発生しやすい修繕費の問題や入居者が決まりにくい、売却に時間がかかるケースもあるなど、不動産市場の影響を受けやすい特徴もあるのです。
築古戸建て投資で失敗しないために、まずは物件選びが大切です。リスクをしっかりと理解して適切な対策を講じれば、築古戸建て投資の魅力を最大限に引き出すことができるでしょう。